- カードローンって手を出さないほうが良い?
- カードローンってちゃんと返していてもデメリットあるの?
CMや広告で目にすることの多い「カードローン」は、融資までのスピードや利便性の高さなどから人気の商品です。一見メリットの多いカードローンですが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
「カードローンは利用しない方がよい」「信用情報に影響する」といった意見がネット上で散見されますが本当でしょうか。この記事では、カードローン利用に際して注意すべきデメリット・危険性について説明するとともに、それらを踏まえた上手なカードローンの利用方法について解説します。
作るだけでも信用情報に影響?カードローンのデメリット
まず「カードローン」について、位置づけを確認しておきましょう。カードローンは「ローン」と総称される商品の1つで、使用用途に制限がなく融資がスピーディーであることから、利便性が高いローンという位置づけです。「ローン」は、基本的に金融機関が提供している「お金を借りる商品」のことで、言い換えれば「借金」ということになります。
では、カードローンを利用する際のデメリットについて具体的に見ていきましょう。

目的別ローンより高い金利
カードローンのデメリットとしてよく挙げられるのは、金利の高さです。住宅ローンやマイカーローンといった目的別ローンと比較するとカードローンの金利設定は高めです。また、同じカードローンでも銀行と消費者金融では金利が異なります。このことは、カードローンの用途が自由であることや無担保・無保証であることから、金融業者にとって貸し倒れのリスクが高い商品であることの裏返しによるものと言えます。
信用情報への影響
カードローンをはじめとするローン商品や、クレジットカードなどの金融商品を申し込み・利用すると、その利用内容は個人の信用情報として記録されます。信用情報には、ローンやクレジットカードの申し込みから契約・返済状況まで漏れなく記録されており、情報は一定期間保持されます。たとえ、申し込みだけであっても(契約しない、またはできなかった場合)信用情報へ記録されていることを知っておきましょう。また、このことから他ローンへの申し込み時に審査への影響が出る可能性があることにも注意が必要です。
借入れの長期化
カードローンのメリットである利便性は、継続的な利用に陥りやすいというデメリットとも言い換えることができます。返済途中であっても、追加融資や他社からの借入れができるため、ついつい借りすぎてしまって返済期間が長期化しやすいという危険性をはらんでいます。返済期間が長くなると比例して利息も増えるため、完済までに支払う総額が増えることに繋がります。気づいた時には債務超過に陥っていた、ということにもなりかねません。
やめた方がいい?カードローンの危険性
カードローンのデメリット・危険性について説明してきましたが、カードローンの利用は避けた方がよいのでしょうか。その他のローン、例えば住宅ローンやマイカーローンといった目的別ローンと同様に、カードローンは今やとても身近なローンです。
債務超過の危険性もお伝えしてきましたが、消費者金融のカードローンには総量規制があり、借入れは年収の3分の1までと定められています。また、複数社からの借入れで返済管理が難しくなっている利用者向けに「おまとめローン」といった商品も用意されています。業界のこれまでの規制強化により、過剰な借入を防止したり、多重債務者を救済する仕組みが整えられています。
これらのことから、カードローンのデメリットや危険性を最小限におさえつつ、メリットを享受できる上手な利用方法を知っておきましょう
危険性やデメリットを踏まえた上手な利用方法
カードローンを上手に使う一番のポイントは「計画性を持って借入れし、返済する」ことです。このポイントを押さえてカードローンの利用をすれば、前述のデメリットや危険性に頭を悩ますことはありません。
より詳細に説明すると、「必要な時に必要なだけ借入れし、余裕があるときには繰り上げ返済をして早期完済を目指す」ということです。借入れ限度額の枠内であれば、追加の借入れはいつでも可能です。だからといって、ついつい無計画に借り入れてしまうと「必要な時に必要なだけ」のポイントから外れてしまいます。
そうすると雪だるま式に借入額が増え、いつまでも「完済する」ことができません。つまり、カードローンのデメリットや危険性は利用者側の利用方法に起因するものであり、そのほとんどは自己管理により対処・回避が可能であると認識して利用することができます。
万が一返済できなくなってしまったら?
ここまで、カードローンのデメリットと危険性、上手な利用方法についてまとめてきました。では万が一返済できなくなってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
カードローン返済遅延と金融ブラック
カードローンは通常、毎月の返済日が決められています。返済日を過ぎても返済ができない状態のことを「遅延」といい、ついうっかり返済を忘れてしまっていた場合でも、返済の準備ができなかった場合でも同じです。「遅延」するとカードローン会社から督促のメールや電話など連絡が入ります。すぐに対応するのがベストですが、そのまま返済遅延が続けば、利用停止や一括請求、金融事故としての記録など、様々なリスクを引き起こします。

利用停止や一括請求は返済内容に関わることですが、金融事故の記録はマイナス影響が大きく、金融事故を起こして金融ブラックとなってしまった場合、クレジットカードなど他金融商品の利用にマイナス影響が出てしまいます。前述の通り、クレジットカード利用だけでも信用情報に記録されますので、記録されること自体が悪いわけではありません。金融事故として記録されることでマイナス影響が出ることとなり、記録は一定期間保持されるため、金融事故が記録されている一定期間はクレジットカード作成や住宅ローンなど、他金融商品の利用が難しくなることを知っておきましょう。
信用情報について、以下のページでまとめていますので、気になる方はチェックしてください。
「約定日に返済できない」といった状況になった場合や、事前に返済が難しいと気付いた場合、すぐに借入先に連絡し、返済スケジュールについて相談しましょう。返済日を過ぎる前に連絡を入れることが大切です。カードローン会社としても貸し倒れは避けたい事態です。迷わず正直に相談することで事態の悪化を避けましょう。
長期の返済遅延を起こしそう・起こしてしまったら
では、一時的ではなく、収入状況の悪化や諸事情から継続的に「返済できない」状態になっている場合はどうすればよいでしょうか。その場合は、自身で事態を抱えこまずカードローン会社や公的機関、弁護士など専門家に相談しましょう。最終手段として「債務整理」という方法があり、相談先には以下のような機関があります。
- 財務事務所
- 消費生活センター
- 日本貸金業協会
- 法テラス
- 弁護士、司法書士
債務整理の中で、返済額を減額できる可能性のある手続きが「任意整理」です。任意整理とは、弁護士・司法書士等の専門家に債権者との交渉を頼み、債務の額を確定させ、支払可能な毎月の支払額を双方が合意した後に支払っていく方法です。
任意整理は、返済ができなくなった利用者にとって適切な対処法ではありますが、信用情報へマイナス影響が出るというデメリットもあります。任意整理も返済遅延と同じく、金融事故として信用情報に記録されることとなり、約5年間保持されることになります。
まとめ
使用用途が自由でスピード融資が魅力のカードローンですが、メリットがある一方でデメリットや危険性もはらんだ商品です。しかし、カードローンのデメリットである「金利の高さ」「返済長期化」「信用情報へのマイナス影響」といった点や「債務超過の危険性」は、カードローン利用者の利用方法・自己管理に起因しています。カードローンは「計画性を持って借入れし、返済する」という原則を押さえ、上手に利用すればデメリットの心配のない商品です。その他のローンと同様、便利に活用していくことが大切です。