更新日:2018/10/10

遺言の保管場所

遺言は書面で行うため、相続人がその遺言書を発見しないと、遺言の効果はありません。
自筆証書遺言は、原本が1つしかなく、紛失してしまえば遺言書がもともと無かったことと同じになるので、その保管場所は大変重要です。
公正証書遺言は、遺言書が存在するかどうかの照会ができ、もし公正証書で作成した事実があれば、利害関係人からの請求で何度でも公証役場で再発行できます。

最後の意思表示として生前に遺言書を作成していても、相続人が遺言を見つけることができなかった場合には、法定相続や話し合いによる遺産分割が行われ、遺言を行った人の意思は実現することができなくなってしまいます。
ですから遺言書は、自分の死後、確実に発見されるように、相続人が見つけやすく、しかも隠されたり変造されたりする心配のない場所に保管しましょう。遺言書があることを家族等に知らせておくことも必要です。

そのような場所がない場合は、以下のような方法があります。

公正証書遺言の場合
公正証書遺言は遺言書の原本が公証役場に保管されます。そのため偽造や変造される心配もありません。ですから相続人に公証遺言書を作成してあると伝えておけば大丈夫です。保管のための費用もかからなので、遺言保管には安全で最適の方法といえます。

公正証書以外の遺言書の場合
遺言書を行政書士・弁護士・税理士などの専門家に預けておくことができます。
専門家にはも守秘義務があるので、職務上知りえた事実を第三者に洩らすことは禁止されています。そのため、遺言書の存在自体を秘密にしておくことも可能です。さらにこの場合、遺言執行者になってもらうこともできます。

遺言書を銀行の貸金庫に入れておく方法があります。

遺言書を信用できる第三者に託す方法があります。
自筆証書遺言は、配偶者や親族に預けるのが一般的ですが、法定相続人など遺産に利害関係のある方に預ける場合、隠匿、変造の恐れがありますので、遺産に何の利害関係のない公正な第三者に保管を依頼した方がいいでしょう。
また、遺言で遺言執行者を定めた場合は、遺言執行者に預けておくこともできます。

相続に関する制度の見直しについて
相続法の法改正(法務局における遺言書の保管等に関する法律 平成30年7月13日公布 公布日から2年以内に施行)により、自筆証書遺言を法務局で保管する制度が新設され、
提出された自筆証書遺言が、法律上の要件を形式的に満たしているかの確認が行われ、原本を保管したうえで画像データとして記録されることになります。
遺言書の紛失、改ざんの恐れがなくなるほか、家族が遺言書の有無を簡単に確認できるようにもなります。
遺言書の原本の閲覧や画像データの確認の申請が行われると、法務局からすべての相続人に対して遺言書を保管していることが通知されます。
なお、自筆証書遺言は家庭裁判所で検認手続きを行う必要がありますが、法務局で保管した自筆証書遺言は検認手続きが不要になります。

とはいうものの、家族が遺言書を探すために法務局に問い合わせなければ遺言書は見つからないので、制度が施行された後も遺言書を法務局で保管する場合は、そのことを家族にも伝えておきましょう。
また2019年1月13日以降に作成する自筆証書遺言については、法務局の保管業務が開始されるまでの間は自宅で保管しておくか、信頼できる人に預けるなどしておきましょう。

遺言の執行

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