更新日:2018/12/3

特に遺言書の作成が必要なケース

「遺言を残しましょう」と呼びかけても、本当に自分にとって遺言が必要なのかイメージしづらいと思いますので、どういう人が遺言書を作っておくべきなのka
という素朴な疑問に、私自身の経験を踏まえて遺言をしておいた方がよいケースをあげtaitoomoimasu。

1.子どものいない夫婦
遺言書のサンプルはこちら
夫婦の間に子どもがなく、遺産の全てを妻に相続させたい時には、遺言が必要です。
夫婦の一方が亡くなった場合、残された配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹(親が生きている場合は親)が相続人になり、
ほとんど付き合いがない場合でも、夫婦で築いた財産を兄弟姉妹に配分することになります。
配偶者の兄弟姉妹中にお金に困っている人がいる場合などは、法定相続分を主張する可能性が十分あります。
さらに兄弟姉妹が死亡している場合には、甥姪が代襲相続人となり、
遺産分割の際に顔を合わせたこともない甥姪に連絡を取る場合もあります。
この場合にきちんと「配偶者にすべてを相続させる」と遺言を残しておけば、
すべて配偶者に相続させることができ、兄弟姉妹等の協力も必要ありません。
兄弟姉妹には、遺留分はありません。
配偶者の親が生きている場合で、遺言をしている場合は遺留分として法定相続分の半分の権利が主張できます。

2.内縁の妻(夫)がいる場合
遺言書のサンプルはこちら
事情があって婚姻届を出していない夫婦は、どんなに長く連れ添っても相続権はありません。
ある程度年齢がいってからの結婚や再婚どうしの結婚の場合には、一緒に暮らすけれど
お互い籍をいれるまでしばらく様子をみようということもあるかもしれません。
そのような場合、相手方が亡くなった場合、一切相続権はありません。
相手方にさらに法的に離婚が成立していない別居状態の配偶者がいる場合、配偶者に相続権があります。
この場合に遺言書を残しておけば、事実上の妻(夫)にも財産を残すことができます。
できればお互いに遺言書を作成することをお勧めします。

3.子供達の兄弟仲が悪い場合
兄弟仲が悪いと遺産分割協議ももめ、こじれることが多いようです。
親でしたら、子供達の仲がよいか、自分の死後にもめるか、想像がつくはずです。
親として遺言を残しておくことにより遺産分割協議も必要なくなり、言いたい放題にならず
相続手続きもスム-ズに進むでしょう。

4.推定相続人に行方不明の人がいる場合
相続の発生時に相続人の中に行方不明の人がいる場合は、
この人を見つけなければ、預金の解約や払い戻しも裁判が必要になったり、
土地の名義変更には、失踪宣告や相続財産管理人選任などの手続きが必要になり、
これらの手続きには時間と費用がかかります。
このような事態を避けるため、あらかじめ公正証書遺言を作成し、遺言執行者も指定しておくのが良いと思います。

5.孫にも遺産をあげたい場合
孫に相続させたい場合は遺言書が必要です。
ただし既に亡くなった息子や娘に子(つまり孫)がいる場合は、孫が息子や娘の代わりに相続します。

6.個人事業や会社経営をしている場合
個人事業でも、株式会社でも存続の危機という事態をさけるために、
次の会社経営者等に、株式を相続させる必要がありますし、個人事業者の場合、誰に跡を継がせるか明確にしておく
必要がありますので、遺言を残しておくのがよいでしょう。

7.介護で世話になった息子の妻にも遺産を残してあげたい場合
嫁は夫の両親の遺産に対して、相続権はありません。
改正民法では、配偶者、従兄弟や孫などの6親等以内の血族、義母や子の配偶者など3親等以内の姻族に
相続人に対して寄与分を主張する権利が認めらるようになりますが、
現行法では、夫に先立たれた妻が、亡夫の親をどんなに大切に長い間面倒をみたとしても、
子どもがいない場合には、遺産は全て亡夫の兄弟姉妹にいってしまいます。
こういう場合、遺言を書けば、介護をしてくれた親族に財産を残すことができます。

8.先妻の子供がいて、後妻を迎えている場合
前妻との間に子どもが2人、後妻との間に子どもなしのような場合、
子どもと後妻が2分の1ずつの割合で相続することになってしまい、
後妻は、相続手続きのために会ったこともない前妻の子に実印をもらわなくてはならないようになります。

9.兄弟姉妹のみが相続する場合
自分に配偶者や子どもがおらず、両親も死亡している場合には、
自分は独り身だから、後は生きている兄弟で平等に分け合ってもらえば良い、と思うかもしれませんが
兄弟が亡くなっていて甥姪が相続人になっていたり、
姉が妹の面倒を見てきて、妹が亡くなった場合など、面倒を見てきた姉の取り分を多くしてもらいたいと
思っていたとしても、反対する相続人が1人いれば、話し合いがまとまらなくなってしまうので
遺言書を作成しておくのがよいでしょう。

10.特定の相続人には財産を残したくない場合
将来相続人となる人(推定相続人)から「虐待」「重大な侮辱」「その他著しい非行」を受けている場合は
家庭裁判所に請求して、認められれば、推定相続人の地位を奪うことができます。
この手続は生前でもできるのですが、家庭裁判所に廃除の申請をして調停から始めないといけない上に、
廃除を求める側は、高齢者であることが多く、虐待などが一層はげしくなるおそれがあり、
現実問題として厳しいといえます。
そのため、遺言で廃除の意思表示をすることで、遺言の効力発生後遅滞なく、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の申し立てをします。

11.相続人がないので世話になった人に財産を遺贈したい場合
配偶者、子孫、両親、兄弟甥姪のいずれもいない場合、遺産は国のものとなります。
遺言で「お世話になった誰々に渡したい」「あの団体に寄付したいと指定することもできます。

12.自分の死後に残されるペットが心配な場合
「もしも自分が死んでしまったら、あとに残されたペットはどうなってしまうのか?」
そんな不安を抱えている人も少なくないと思います。
ご自身がなくなった場合に「ペットの世話をしてもらうことを条件にそのお世話をしてもらう人に遺産を残す」という負担付遺贈の遺言をすることができます。

13.相続財産の主なものが不動産で複数の相続人がいる場合
不動産など均等にわけるのが難しいものは、相続人を個別に指定しておいた方がよいでしょう。
また、賃貸物件、収益物件を複数持っている場合は、相続税がかかってくる可能性が高く、
土地建物の評価など相続手続きに時間がかかり、相続人間で話し合いが整わないと、納税期限も迫り、大変です。
可能な限り、遺言書を作っておくのがよいでしょう。

遺言書で指定できること

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