更新日:2017/5/24

特に遺言書の作成が必要なケース

「遺言を残しましょう」と呼びかけても、それだけでは、本当に自分にとって遺言が必要なのか、イメージしづらいと思いますので、特に遺言をしておいた方がよいケースをあげております。

1.子どものいない夫婦 遺言書のサンプルはこちら
特に遺言書を残すべきケースだといえるでしょう

子どものいない夫婦だけれど、財産は持っているという方は結構おられると思います。夫婦の間に子どもがなく、遺産の全てを妻に相続させたい時には、遺言が必要です。
夫婦の一方が亡くなった場合、残された配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹(親が生きている場合は親)が相続人になり、ほとんど付き合いがない場合でも、夫婦で築いた財産を兄弟姉妹に配分することになります。
夫の兄弟姉妹の全員がすんなり遺産分割協議書に実印をついてくれればいいのですが、お金に困っている人がいる場合など、法定相続分を主張されたり、ハンつき料を要求される可能性も十分あります。
さらに兄弟姉妹が死亡している場合には、甥姪が代襲相続人となり、遺産分割の際に甥姪に頭をさげる事態もありえます。さらに、初めて顔を合わす人や、自分がなぜ相続人に該当するのかも 知らない人がいたり、北海道から九州・沖縄・海外まで相続人が散らばっていて、ハンを押してもらうために連絡しなくてはならないという可能性があります。
この場合にきちんと「配偶者にすべてを相続させる」と遺言を残しておけば、すべて配偶者に相続させることができ、兄弟姉妹等の協力も必要ありません。夫の兄弟姉妹には、遺留分がないので、何らの権利も主張できなくなります。妻は全財産を誰に遠慮することもなく相続できるのです。夫の親が生きている場合でも、遺留分として法定相続分の半分しか権利を主張できません。

2.内縁の妻(夫)がいる場合 遺言書のサンプルはこちら

事情があって婚姻届を出していない夫婦は、どんなに長く連れ添っても相続権はありません。内縁の妻(夫)との間に子どもがいない場合、妻(夫)の全財産は、夫の親または兄弟姉妹が相続します。
さらに法的に離婚が成立していない別居状態の配偶者がいる場合、配偶者に相続権があります。この場合に遺言書を残しておけば、事実上の妻(夫)にも財産を残すことができます。事情によりますが、できればお互いに遺言書を作成することをお勧めします。

3.子供達の兄弟仲が悪い場合

これは難しいケースといえます。
兄弟仲が悪いと遺産分割協議ももめ、こじれることが多いようです。仲をよくさせるのが一番と思いますが、なかなか難しいといえるでしょう。
親でしたら、子供達の仲がよいか、自分の死後にもめるか、想像がつくはずです。遺言を残しておくことにより遺産分割協議も必要なくなり、相続手続きもスム-ズに進むでしょう。

4.特定の相続人に遺産を多く残したい場合

5.孫にも遺産をあげたい場合

孫には相続権がありませんので孫に相続させたい場合は遺言書を作成しましょう。ただし既に亡くなった息子や娘に子(つまり孫)がいる場合は、孫が息子や娘の代わりに相続します。

6.家業を継ぐ子供に農業や事業用の財産を残してあげたい場合

個人事業であっても、株式会社でたくさんの株式を持っている場合でも同じです。相続問題・後継者問題で会社存続の危機という事態をさけるために、経営権の評価や遺留分を考えて、きちんとした遺言を残しておきましょう。

7.介護で世話になった息子の妻にも遺産を残してあげたい場合

嫁は夫の両親の遺産に対して、相続権はありません。夫に先立たれた妻が、亡夫の親をどんなに大切に長い間面倒をみたとしても、子どもがいない場合には、遺産は全て亡夫の兄弟姉妹にいってしまいます。

8.先妻の子供がいて、後妻を迎えている場合
離婚すれば、妻とは法律上の関係はなりますが、子どもとは親子の縁は切れません。
例えば、前妻とも後妻とも1人ずつ子どもがいれば、法定相続分は、後妻が1/2、子どもたちはそれぞれ1/4ずつとなります。
後妻は、夫の死後、相続手続きのために見たことも会ったこともない前妻の子の実印をもらいに行かなければなりません。前妻の子が後妻によいイメージを抱いている可能性は低く、法定相続分や、高額なハンつき料を求められるおそれがあります。

9.推定相続人の中に行方不明の人や体の不自由な人がいる場合

10.特定の相続人には財産を残したくない場合

将来相続人となる人(推定相続人)から「虐待」「重大な侮辱」「その他著しい非行」を受けている場合は家庭裁判所に請求して、認められれば、推定相続人の地位を奪うことができます。
兄弟姉妹は、彼らには相続させない内容の遺言をつくれば、遺留分のない兄弟姉妹は何も請求することができないので、廃除の手続は、両親、配偶者、子どもに相続させたくないときに使われます。この手続は生前でもできるのですが、家庭裁判所に廃除の申請をして調停から始めないといけない上に、廃除を求める側は、高齢者であることが多く、虐待などが一層はげしくなるおそれがあり、現実問題として厳しいといえます。そのため、遺言で廃除の意思表示をすることで、遺言の効力発生後遅滞なく、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の申し立てをします。

11.相続人がないので世話になった人に財産を遺贈したい場合

配偶者、子や孫、両親、兄弟や甥姪、のいずれもいない場合、遺言をつくっておかなければ遺産は国にいってしまいます。「お世話になった誰々に渡したい」「考えに共感するあの団体に渡したい」「お寺や教会に寄付したい」と指定すればそのとおりになります。

12.自分の死後に残されるペットが心配な場合

お子さんがいない家庭などでは「もしも自分たちが死んでしまったら、あとに残されたペットはどうなってしまうのか?」 そんな不安を抱えている人も少なくないと思います。
残念ながらペットは民法上は「物」と扱われるためペット自身に財産を残すことは出来ませんが、将来、ご自身がなくなった場合に、「ペットの世話をしてもらうことを条件にそのお世話をしてもらう人に遺産を残す」という負担付遺贈の遺言をすることができます。
好きな食べ物や散歩や持病や掛かりつけの獣医などを遺言書に盛り込んでお願いしたいものですが、せっかく遺言書を書いても、それが実現されなくては大切なペットをまもることができません。この場合は 受遺者に遺言書の約束を果たしてもらうため、遺言執行者の指定を行うことをお勧めします。

13.子供が独立して心配ないので老妻(老夫)に全財産を残したい場合

14.相続財産の主なものが不動産で複数の相続人がいる場合

不動産など均等にわけるのが難しいものは、相続人を個別に指定しておいた方がよいでしょう。そうでないと、相続人による遺産分割の協議は全員の承認を必要とするため、中に一人でも反対者がいる場合は、協議が整わないことになってしまいます。


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