更新日:2017/11/19

消極損害

消極損害とは、本来は得ることができたけれど交通事故によって得ることができなくなった損害のことです。

休業損害=休業による減収
休業日数分に応じた減収の算定

後遺障害により逸失利益=労働能力喪失による減収
等級による労働能力喪失率と労働可能期間などによる算定

死亡による逸失利益=生存により得られた収入の喪失
事故前の年収を基礎に生活費を一定割合で控除して生涯年収を算定

休業損害
交通事故による怪我で、仕事を休んだため、得られなかった賃金や収入は、損害として請求できます。
入院や通院をしても収入の減少がなかった場合は認められませんが、給与所得者が、休業中に有給休暇を利用した場合は、実際に失われた収入がなくても一般的に休業損害として認められます。
自賠責基準は、平成14年4月1日以降に発生した事故については原則1日5700円ですが、資料などで5700円を超えることが証明できた場合は、1日19000円を上限として実額が支払われます。
加害者が自賠責保険にしか加入していない場合は、自賠責基準で算定されてしまいます。
加害者が任意保険に加入していた場合は、保険会社ごとに定められた基準で提示があり、最低限の金額は支払ってもらえるでしょう。

給与所得者
本給・家族の扶養手当や賞与を含む、事故前の給与を基準として、入通院で仕事を休んだために減収となった金額を請求できます。
事故前3か月の収入÷90×休業日数(税引前の収入で計算)
休業期間中、会社から給料が支給されている場合は請求できません。
会社からの給料の支払がなく、労災から給料の6割が支給されている場合は差額の4割を加害者に請求します。
被害者が入院したため会社から給与が支給されなかった場合は、原則として入院期間全部が休業期間となります。
被害者が通院したために給与が支給されなかったり減額された場合は、症状固定までの期間で休業損害を算定します。
後遺障害が残ったことによって所得喪失が発生した場合、症状固定日以降に発生、あるいは発生するであろう損害は逸失利益となります。

会社役員
役員報酬の労働対価に対する分に対し休業損害が認められ、利益配当部分は対象外です。けれども会社形式をとっていても被害者である代表者が中心的業務を行っていて代替性がないような個人会社の場合は、労働対価部分が多いと考えられるため、本人がいないことが会社の業務に悪影響を与えていることや実際に本人に減収が生じていること、症状固定時まで仕事ができなかったことなどを証明する必要があります。

事業所得者
原則として事故前年の所得税の確定申告所得を基準に365日で割って、1日当たりの金額を算定して、休業日数をかけて算定します。
事故前年の所得税確定申告所得÷365×休業日数
年度によって収入が安定していない場合は、過去数年の平均所得から算出します。

家事従事者(女性に限らず主婦的業務に従事する者)
怪我のため家事ができなかった期間について休業損害が請求でき、賃金センサス女子労働者の平均年収を基準に算定します。
賃金センサスの女子平均賃金1日分収入×休業日数
パートや内職収入がある場合は、収入が女子労働者平均年収額未満の場合は平均年収額を基準に、平均年収額以上の場合は、実収入額を基準に算定します。

学生
アルバイト収入が明確な場合は、怪我の治療のためにアルバイトを休んだ減収分を請求できます。また治療が長引いて、卒業や就職が遅れた場合は、就職が遅れたことによる減収について請求できます。

無職者
休業損害は発生しません。地代や家賃収入がある場合も、交通事故による怪我で収入は影響されませんので対象外となります。

失業者
原則として休業損害は認められませんが、すでに内定していた場合などは認められる可能性もあります。

休業損害の算出方法
休業期間は医師の診断書により決まります。
具体的には、入院期間は全休とし、その後の通院期間も医師の診断書に「休養を要する」とあれば全休と認められます。
次に、事故にあう前3か月間の収入を出して、一日当たりの収入を計算して、休業期間にかけて休業損害を算出します。
具体的には、事故前3か月間に被害者が受給した給与合計額(本給+付加給で所得税や社会保険料を控除しないもの)を3か月の日数(休日祝祭日を含む)で割って1日あたり収入を出します。

もっとも受傷後、治癒(症状固定)までの間に症状はだんだん軽快していくことから、主婦などの場合は、現実に家事労働に従事できなかった日数が休業日数となりますが、休業期間が長期にわたる場合は、受傷の部位や程度や回復の度合や生活状況から、労働能力の段階的な喪失割合(たとえば治癒まで9か月かかった場合、当初の入院3か月中は100%、その後の3か月の通院中は50%、その後の3か月の通院中は30%など)に応じた休業損害を認める場合もあります。

大切なのは収入の証明です。収入の証明は傷害事故の休業損害の場合だけでなく、死亡事故や後遺障害の場合の逸失利益の算定でも必要となります。

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