更新日:2020/6/30

任意一括請求の問題点(過失割合について)

自動車保険の請求手続きは、自賠責保険から支払いを受け、不足する賠償額を任意保険から支払を受け取るのが本来の手順です。
しかし実務上は手間になりますのでその手間を省くために、任意保険会社が自賠責保険を含め支払い、後に自賠責保険を求償する制度が任意一括請求です。
このように一見、任意一括請求は被害者にとって手間が省けて便利な制度ですが、任意一括請求(自賠責保険と任意保険を同時に請求)した場合は、損害額×過失割合率-自賠責保険からの支払い分という計算で支払われ、過失割合が大きければ大きいだけ任意保険の支払いは減ってしまいます。
一方、自賠責保険請求の場合は、重過失による減額以外は過失相殺されません。
なぜなら自賠責保険は、被害者救済が目的なので、支払い条件や免責事由や過失相殺においてかなりの緩和がされているのです。(但し、100%過失の場合は支払われません)

【自賠責保険の被害者の過失による減額割合】

自賠責保険適用上の過失割合 後遺障害
・死亡による損害
傷害による損害
70%未満 減額なし 減額なし
70%~ 20%減額 20%減額
80%~ 30%減額 20%減額
90%~ 50%減額 20%減額
※任意保険にこの取り扱いは適用されません

自賠責保険に直接請求した場合、被害者の過失が70%未満の場合は減額されませんが、任意一括請求の場合は減額されてしまいます。

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